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商品コード: TS-890D ~ TS-890S

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JA6WBR 宮崎です。

 2018年8月8日、大阪の池田市民文化会館までKENWOODの新製品TS-890の発表会に行ってきました。
 つい先月、関西アマチュア無線フェスティバル(KANHAM2018)に行ったばかりでして、偶然同じ会場での開催でした。すでに先週の水曜日にも関東方面では同様の発表会があったとのことですので、すでにご存じの内容となるかもしれません。

 発表会を受けての印象としてTS-890は、5年前に発売されたTS-990を継承しつつ、中級機とはいえ受信性能を時代に合わせ磨き上げられた最新機種だと感じました。

 さて、昨年のIC-7610といい、今般ヤエスから発表されたFTDX101Dといい、2000年代初頭からのK3から始まったスーパーヘテロダイン・ダウンコンバージョン方式のブームから10年を経て、時代はSDR方式へとシフトしつつあるように感じますが、TS-890はTS-990を継承したスーパーヘテロダイン・ダウンコンバージョン方式の無線機です。

 2018年のデイトンハムベンションでKENWOODから新機種が発表されるという情報が流れたときに、「いよいよKENWOODからもSDR方式の無線機が発表されるのではないか」と期待された方も多かったのではないでしょうか。そして、今回のTS-890のカタログ等を見て、SDR方式ではないことに落胆された方もいらっしゃったのではないでしょうか。

 アイコムからIC-7850が発表された際、それまでのIMDRの数値競争に代わる新たな指標としてRMDRが用いられました。それを支えるローカルオシレータ(LO)の性能と、超高品質のフェーズノイズ特性を高らかに謳い、他機種を凌駕する性能は、スーパーヘテロダイン、アップコンバージョンの無線機が当時の主流であったダウンコンバージョン機に何ら劣るものではないと示したことは記憶に新しいところです。
 また、IC-7300の好評に続く、中級機のIC-7610の発表と、SDR無線機の実力は皆さんもご存じのとおりです。

 SDR方式の利点は、スーパーヘテロダイン方式に比べ、圧倒的に部品点数が少なくなることにより、コストダウンだけではなく、性能のばらつきが少なくなること、そしてすべて演算のみで信号を扱うために非常に良好な性能が得られることにあります。
 ただし、ダイレクトサンプリング受信機ではA/Dコンバータでアンテナから入ってきた信号をデジタル信号に変換する際、A/Dコンバーターの分解能による量子化歪みが発生すること、またA/Dコンバーターが飽和するような過大な入力(オーバーフロー)が発生するとアナログ信号をうまくデジタル信号に変換できなくなってしまい、結果的にデジタル信号そのものが演算で処理できなくなってしまう短所もあります。なお、量子化歪みについては、より高性能なA/Dコンバータの登場により改善が期待出来ますし、オーバーフローを回避するためには、A/D変換前に入力信号を減らす(アッテネータやプリアンプのOFF、プリセレクタの利用など)ことで対策が可能です。

 KENWOODは、SDR(ダイレクトサンプリング)の、回路的な有利さやコスト面での長所は把握し、評価しつつも、強信号入力時のオーバーフローによるSDRの短所も踏まえ、なおかつ3rd IMDR、RMDRだけではなく、ブロッキングダイナミックレンジ(BDR)も無視すべきではないという観点から、今回敢えてSDR方式ではなく「ダウンコンバージョン、狭帯域ルーフィングフィルタ、高品質なLO」という従来の方式をより磨き上げる方向で今回のTS-890を開発したそうです。
 カタログにもあるように、3rdIMDR 110dB、RMDR 114dB、BDR 150dBという数字は、他社の最高級機にひけをとらないものとなっています。
 時代の進化に合わせ、TS-890ではバンドスコープも改良されています。 従来方式のバンドスコープではブロック単位でのFFTだったために、バンド内、あるいは広いスパン幅をすべて表示するにはブロックを切り替えなければならず、掃引速度による描画速度の限界がありましたが、TS-890のバンドスコープ受信部は第1IFからのSDR方式で構成されており、広帯域のFFTとすることで高速で滑らかなバンドスコープを実現しています。
 また、バンドスコープ用のアッテネータを別に設けているため、SDR方式の弱点であるオーバーフロー時の対策としてアッテネータを動作させても、メインの受信部には影響しないという利点もあります。

 そのうえで、FIXモード時に帯域外までマーカーが移動した際のオートスクロール機能や、あらかじめ表示帯域外のウォーターフォールを描画し、オートスクロール時にも違和感なくウォーターフォールの表示を行うエキスパンドモード、また、バンドスコープ内において受信中の周波数幅(BAND WIDTH)を半透明で表示する機能など、より使いやすい機能を盛り込んだものとなっています。

 ローカルオシレータの高C/N化も今回の目玉です。
 アイコムがIC-7850/7851で採用した高性能DDS方式ではありませんが、3.2GHzものVCOから分周した、従来方式をより発展させた発振回路を用いることで、大変良好なフェーズノイズ特性を実現しています。

 送信品質も、評価の高いTS-990の特性によく似た高品質なものに仕上がっています。海外向けのモデルでは70MHz帯までの送信ができるようになっており(日本国内向けでは送信できません)、送信部の段間マッチングなどのチューニングが行われているそうです。とはいえ終段を破損させるバイアス電流を増やすことなく、HF帯域での良好なIMD特性を13.8VDCでの動作で実現しています。

 筐体も、重量は増しますがヒートシンクと一体になったダイキャストシャーシにより、優れた冷却性能と静粛性を実現しています。受信時にファンを回転させないような設計となっているそうです。

 そのほかにも、TS-990発売からの5年間の要望等を踏まえ、4630kHzでのATU動作や、RTTY/PSKのモード切替時にも自動でデコードプログラムも切替する動作、CWデコード機能の追加、他社では可能であったUSB経由のキーイング対応、スクリーンセーバー動作時における画像をユーザーが任意に登録可能になったこと、LAN端子を装備しリモートサーバ機能をTS-890側に搭載したことでサーバ側にPCを用意せずともよくなったなど、細やかな機能が追加されています。

 ほかに面白い機能としては、TS-590シリーズ、TS-890シリーズをもう1台受信専用機として連動させることができます。親機のTS-890のRX OUTのアンテナ出力と、RS-232Cクロスケーブルを用いることで、2台の無線機を組み合わせて2波同時受信が可能となります。

 TS-890は、メーカー希望小売価格が\448,000(税別)と、中級機としても高めの価格設定となりました。他社ではデュアルワッチや高速なバンドスコープ、あるいはSDRといった最新技術をつぎ込んだ機種が発表され、また近日発売を予定されている中、一見TS-990をダウンサイジングしたような印象に正直なところがっかりしたファンもいらっしゃったかもしれません。
 とはいえ、TS-890は5年の歳月を経てTS-990を上回る受信性能を備え、細部も磨かれて登場しました。単なる廉価版の機種ではなく、あるいは現行機種のマイナーチェンジとしてのTS-990SDX(?)の予感も感じさせる最新機種としての印象が強くあります。

 近年はDXコンディションの低下や、FT8といった狭帯域デジタルモードの台頭といった、DXシーンを大きく変えるような変革が続いています。DXペディションでの交信を狙う上で必ずしもデュアルワッチや大出力が必要ないことを感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 そのような場面において、TS-890はひとつの有力な選択肢になるのではないかと感じています。

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